タロット

【火垂るの墓】清太のプライドと節子の死因…そこに見るタロットの世界

占い師、占い講師の
星月ひなたです🌟

昨夜は数年ぶりに
火垂るの墓が放送されていましたね。

火垂るの墓を見た事がない
うちの子ども達も
「絶対見る!!」と、
とても楽しみにしていました。

内容は知ってるし
どんな結末かも
よく知ってる火垂るの墓。

映画やアニメって、
その時じゃないとわからない感覚とか
気付きってあるじゃない?

火垂るの墓にももちろんあって。

私が火垂るの墓を見たのは
もう小学生の頃だったと思いますが
当時は何とも思わずに
ただただ戦争のむごさとか
「西宮のおばちゃんひどい!」
みたいな気持ちしかなかったんですが…

久しぶりに見ていて、
それが全く違う感覚になりまして。

終わり掛けにデータ放送で
監督のメッセージを読んだ時に、
この作品で監督が描きたかったこと、
伝えたかったことがよくわかって
なるほど…となったんだけど。

清太をイメージするタロットカードは?

清太たちは親戚の家に預けられて、
そこで無碍にされて「もういやや!」
みたいになって家を飛び出すわけだけど。

軍人さんの家庭で
お金に不自由することなく
いわゆるボンボンとして
育ってきた清太。

私の清太のイメージは
お気楽で何も考えていない愚者。

愚者ってお金持ちのボンボンのイメージ
って講座ではよくお伝えしてるんですけど。

お金持ちだからこその思考って
あるじゃないですか。

特に何の苦労もなく育てられた人は
どうしてもそれが基準になる。

それ以下の生活はあり得ないし
自分が無碍にされる事にも慣れていない。

できればそんな境遇に
ならない方がもちろんいいけど
そういう境遇で育った人は
やっぱり精神的に強いし
それが当たり前というか
そういう事があるのも人生だと
わかっているからこその判断力が
確実に育っているもの。

私はネガティブな経験ほど
した方がいいと思っていて。

ソードの3的な。
トラウマレベルのやつね。

確かにそれは大きな傷になるけど、
人として何倍も成長させてくれるし
選択肢も増えていく。

自分で何とかしようという
無意識の行動力だったり
判断力が備わっていくのだと思う。

でも今回の清太を見ていると
独りよがりでその時さえ
良ければいいんだって考えるような
そんな印象を残していました。

今後の事を考えない短絡的思考が
清太には垣間見られた気がします。

ある種、
金持ちのプライドですよね。

だからこそ、
西宮のおばちゃんちでの生活は
とても苦痛だったし
そこから逃げたいと思ったのかも。

清太のプライドとは

空襲で学校が焼けて
学校にも行けない状況。

復興には時間がかかるだろう。

それでいて清太達は
ご厄介になっている身。

学校に行けないなら
そこで生きるために
生かしてもらうために、
そしてお世話になっている
西宮のお家のために
何か自分にもできる事をしたり、
動いていかなきゃいけないんじゃないか?と。

母を亡くし、
とてもそんな気持ちになれないのは
とてもよくわかるけれど、
そこでなにもせずに
居座っている状態が
果たしていいのかと。

いい大人になった今、
それを冷静に見た時思ったんですよね。

「清太は働こうと思えば
働けたんじゃないか?」

「もっと今できる事を
一生懸命しなきゃいけないんじゃないか?」

って。

 

結局清太は西宮のおばちゃんちから
逃げるように出ていくわけだけど。

この辺愚者逆位置的ですよね。
そこに計画性は一個もなく、
ただただ感情的に
「自由になりたい!」って
飛び出していったという感じで。

果たして清太は
節子を守りたかったのか、
それとも自分のプライドを
守りたかったのかって。

私はどちらかというと
清太のプライドが
そうさせたのではないかな?と
思いながら見ていました。

西宮のおばちゃんが
母の形見の着物を売りに行こうとする時
「これを売ったら米一斗(米一斗=15㎏)になる」
と言われて清太は
「これが米一斗になるんですか?!」と
その事実に目を輝かせていました。

そして着物を売りに行こうとするおばちゃん。

しかし節子は納得せず、
「お母ちゃんの着物、売ったらあかん!」
とおばちゃんの腕を掴み離しません。

それを見ていた清太は
おばちゃんから節子を離そうとします。

清太にとっては
生きる為の判断であったと思う。

形見を売ってお米になるんだったらと。

でもその短絡的思考は
節子にはありません。

節子はただ純粋に
お母さんがいなくなってしまうような
そんな感覚を覚えたと思いますし
それしかない母の形見を
売りに出すことは
許せなかったのでしょう。

自分とお母ちゃんを繋ぐ物質が
なくなるという事ですから。

その着物には
豊かで順風満帆だった記憶や
母との思い出が詰まっている。

しかし物質にこだわっていては
生きていけないこともある。

でもそこには目に見えない大切な物が
確かに宿っている。

どこを大事にするか、
どこに基準を置くか。

誰も間違ってないし
誰も悪くない。

そんなことを思いながら
今回火垂るの墓を見ていました。

家を出ていった清太と節子を表すタロット

自分のプライドを守るために親戚の家を出て
洞窟のような所で生活をしていた清太。

そして兄に連れられて行った節子。

結果。
縛られない生活を手に入れたけど、
全部自分たちでやらなくてはいけなくて。

でもお金は底を尽きるし、
妹の節子は病気になってしまうし、
生きるためには食べなきゃいけないし。

お金がないから
空襲の度に清太は着物とか
お金になりそうなものを盗みに
そこら辺の家じゅう走り回って。


一切悪気ないのよね。
ただ生きるために
そうすることしか
思い付かなかった。

上から攻撃をされる中
「やれやれー!!」と
援護するような発言も。

この辺りもやっぱり
後先考えていない思考の持ち主だな
という所が見えますよね。

この状況をポジティブに捉え
積極的に盗みに入る。

入った家のご飯の残りかすも
こそげとって食べて。

生きるためにはそうしなきゃいけない。
そうせざるを得ない。

盗んだ着物は「母の形見」だと言って
食べ物や何かと交換しようと
交渉するのだけど
「こんなペラペラな着物、
形見なわけないやろ!」
と一喝され撃沈。

結局一銭にもならず
清太は節子のところに
戻るのだけど
節子は具合が悪くなる一方で…

衛生的にも環境は悪いに決まっていて
当時4歳の節子には
とてつもなく厳しい環境。

皮膚に湿疹が出て、
シラミも発生して、
栄養失調でやせ細っていきました。

この状況に私は
タロットのこのカードを
思い出していました。

火垂るの墓の2人の世界って
ペンタクル5の世界と
めちゃくちゃ重なるというか。

このステンドグラスの中が
西宮のおばちゃんちで。

頼れる場所があったのに
無下にされながらも
生きる選択ができる場所が
すぐそばにあったのに。

一時の感情でそれを選ばなかった清太。

それにより節子は病気になり
辛い状況に自ら入っていく姿は
まさしくペンタクルの5ですよね。

ここで気付けばよかったんですよね。

変なプライドがあったために、
それを持ち続けたために。

このペンタクルの4の人物のように
手放すことを一切しなかった。

だからこそのペンタクルの5
という結果だと思います。

節子の死因は

節子の死因の一つは
体中に広がった湿疹だと思います。

なんとなく単なる湿疹ではない
ということはわかると思います。

あれは「疥癬(かいせん)」
だと言われていて
ヒゼンダニというダニが身体に侵入し
かゆみなどを発生させるというもの。

治療法としては
早期発見と早期治療はもちろん
塗り薬や飲み薬を使い改善させていくもの。

洞窟暮らしでお金もない清太は
最悪の状態にあるまで
妹を病院に連れていく事はなく
ただただ生きるために
走り回る日々でした。

やっとのことで病院に連れて行った時には
時すでに遅しで…

西宮の家にいたらおそらく
節子はこんな目にはあわなかっただろうし
洞窟暮らしよりは清潔であり
なにより生きていく事ができたのではないかと。

そしてまともに食べられない生活からの
栄養失調も原因となっているとは思います。

さらにもう一つ。

序盤で節子が目をこすっていたシーン。

空襲の後で降ると言われている
その雨粒が節子の目に入りました。

その雨粒はいろんな有害物質を含んだ雨。

これが決定的だったのではないかなと。

節子は清太に比べて
身体も小さく免疫力も弱いでしょう。

そんな中浴びた有害な雨。

しかもそれは
無防備な目の中に入ってしまった。

目って粘膜ですからね。

皮膚を介してではないので
ダイレクトに身体に入り込むという事が
考えられますよね。

この有害物質が
節子の命を奪った
大きな原因ではないかなという説も。

なんにせよ、
今回見た火垂るの墓からは
生き方について深く考えさせられました。

冒頭で清太自身も命が尽きるシーンが
描かれていますが、
こうなってしまう経緯が
全て本編に描かれていましたね。

まっすぐでプライドの高い
清太だったからこその
この結末だったと思うし、
彼自身もこの生き方に
後悔はしていないと思います。

清太と節子かわいそう!
西宮のおばちゃん鬼!
ってそこだけを切り取ってしまうと
この物語で監督が言わんとしていたことや
解釈がズレてくるなと今回思いました。

ただそれだけじゃないというか、
西宮のおばちゃんが悪!でもないし
清太だって悪い所があったし
もう少しうまいこと
生きられたんじゃないかなって。

あなたは火垂るの墓に
何をみましたか?

という事で今回は
火垂るの墓を見ながら
浮かんできたカードのイメージを
お話していきました!

こんな感じで
アニメや映画、ドラマを
タロットと照らし合わせてみると
めちゃくちゃ上達しますよ☺️

ではまた。